2023年度第4回「数理物質系学際セミナー」のご案内
2023.09.19
数理物質系学際セミナーの概要
数理物質系では、2022年10月より、数理物質系学際セミナーを新たに始めました。本セミナーは、主に数理物質系における研究内容を系内で共有することにより、学際融合・領域融合した新しい研究分野の創出を目指すことを目的としています。
2023年度第4回数理物質系学際セミナーのご案内
開催日時
2023年10月20日(金) 16:45開始(75分間)
プログラム
第一席
講演者:宮川 晃尚 助教(化学域)
司会: 中村 貴志 助教(化学域)
タイトル:マイクロ粒子挙動に基づく新規計測概念の創出
Development of novel detection concept based on the microparticle behavior
概要:計測技術の発展は科学の進歩に欠かすことのできないものです。例えば、化学の分野では、有機化学、無機化学、物理化学研究の基盤を支えているのが分析化学であると考えています。また、COVID-19でPCR法や抗原検査のような分析手法が一般的に知られるようになり、学術分野だけでなく、社会を支える分野であることが認識されました。しかし、COVID-19でも問題になったように、PCR法や抗原検査では偽陽性・偽陰性などの欠点を有しており、さらに精密かつ高感度な定量手法が必要であることが明らかになりました。したがって、高感度計測法、新規計測概念の創出は未だに需要が高く、幅広い分野での活躍が期待されています。今回のセミナーでは、分析化学とはどういった研究分野なのかといったことから説明させて頂き、私が着手しているマイクロ粒子挙動に基づく微量計測法について紹介させて頂きます。
第二席
講演者:奥村 宏典 助教(物理工学域)
司会:寺田 康彦 准教授(物理工学域)
タイトル:高温・高放射線耐性に向けた半導体の結晶成長と素子特性
Crystal growth and electrical characteristics of wide bandgap semiconductors for high-temperature and high-radiation tolerance applications
概要:スマートフォンや家電、電気自動車など、今や半導体は私たちの生活に欠かせないものとなっています。これまでの半導体は主に地上で使うものが主でしたが、近年、人々の行動範囲は拡がり、宇宙や地中、深海といった厳環境探索が活発化してきています。私たちは、将来に向けて、厳環境でも耐えられる半導体素子の実現を目指した研究を行っています。宇宙環境では高い放射線耐性が、地中では高温耐性が求められます。半導体材料に放射線が当たると、半導体内部の原子がはじき出されて欠陥が生成され、素子の動作不良に繋がります。放射線耐性には、高い原子間結合力が大きい材料が好まれます。半導体素子を高温環境に曝すと、価電子帯から熱で励起した電子が増え、大きな電流が流れ続けてしまい、素子をオフできなくなります。高温耐性には、熱励起し難い材料が好まれます。ワイドギャップ半導体と呼ばれる材料は、高い原子間結合を持ち、熱励起し難い材料でもあり、また、高い電圧にも耐えられることから、パワー素子にも使われています。私たちはワイドギャップ半導体の中でも、特に放射線耐性・高温耐性に優れた窒化アルミニウム(AlN)や酸化ガリウム(Ga2O3)、現在は絶縁体に分類されているサファイア(Al2O3)を用いた素子を主に作製しています。本発表では、これらの材料の結晶成長や電気的特性、素子の高温耐性と放射線耐性について紹介します。
実施方法と参加対象者
会場での講演をzoomで同時配信するハイブリッド方式で行います。参加費用は無料です。原則として、どなたでも参加できます。ただし、参加人数の上限を超えた場合には、参加をお断りする場合があります。
セミナー会場
総合研究棟B棟 110室(ハイブリッド配信あり)
お申し込み方法と締め切り
・数理物質系および関連センターの構成員(教員と学生など)
直接 (Garoon掲示板、TWINS、メール等で)案内とzoom リンクを通知しますので,登録なしで自由に参加することができます。
・系外および学外の参加希望者
Googleフォームで事前にお申し込み下さい。参加申し込みの締め切りは10月17日(火)です。お申し込みされた方には、10月18日(水)までに、登録メールアドレスにzoomの接続情報をお送りします。
Zoom参加の際の注意点
・名前表示を「所属 氏名」で設定してください
・セミナー開始10分前を目安に、参加用URLに接続してください
・基本的に参加者は、ビデオ=オフ、マイク=ミュートとしてください
お申し込み先
https://forms.gle/W74cBszT38jEdnGKA
お問合せ先(Zoomアクセスの際の不具合時など)
数理物質エリア支援室総務担当(担当:佐藤)
E-mail: suurisoumu(at)un.tsukuba.ac.jp
※ (at) は @ に置き換えて下さい
Tel:029-853-5621