2024年度第2回「数理物質系学際セミナー」のご案内

2024.06.26

イベント

数理物質系学際セミナーの概要

数理物質系では、2022年10月より、数理物質系学際セミナーを新たに始めました。本セミナーは、主に数理物質系における研究内容を系内で共有することにより、学際融合・領域融合した新しい研究分野の創出を目指すことを目的としています。

 

 

2024年度第2回数理物質系学際セミナーのご案内

 

開催日時

2024年7月19日(金) 15:15開始(75分間)

 

プログラム

 

第一席

講演者:百武 篤也 准教授(化学域)

司会:宮川 晃尚 助教(化学域)

タイトル:光増感剤との相互作用を通じた四重鎖DNAの光分解

Photodegradation of G-quadruplex DNA through its interaction with photosensitizers

概要:一般的なDNAの形態は二重螺旋構造ですが、三重鎖構造やグアニン四重鎖構造(G4)のような他の形態も存在します。G4構造は、グアニンが豊富な配列において形成される非標準的な高次構造であり、カリウムイオン(K+)などのカチオンが存在する環境下で、グアニン同士が環状に連結してG-カルテットと呼ばれる平面構造を形成し、これらのカルテットが積み重なることによりG4が形成されます。近年、G4がDNA複製、組換え、転写、エピゲノム制御といった多くの生体プロセスに関与していることが明らかになっていますが、その詳細な機能やメカニズムはまだ完全には解明されていません。これらの研究において、G4に特異的に結合するリガンド分子が重要な役割を果たしています。本セミナーでは、リガンド分子と光を用いたG4の選択的分解に関する研究を紹介します。

 

第二席

講演者:東郷 訓 助教(物理工学域)

司会:寺田 康彦 准教授(物理工学域)

タイトル:仮想ダイバータモデルを用いた非等方イオン圧力に基づくプラズマ流体シミュレーション

Plasma fluid simulations based on the anisotropic ion pressure with a virtual divertor model

概要:核融合炉の炉心プラズマを取り巻く周辺プラズマを対象とした流体シミュレーションの高精度化に関する研究を行っています。プラズマを構成する荷電粒子の輸送は、ローレンツ力とクーロン衝突に基づくボルツマン方程式によって運動論的に記述されます。一方で計算負荷の観点から、周辺プラズマではボルツマン方程式から導出された流体方程式によるシミュレーションが行われます。本研究ではイオンの圧力(速度分布関数の分散)の非等方性を考慮した流体方程式を導出し、シミュレーションを行いました。また運動量輸送方程式の型が放物型から双曲型偏微分方程式に変わったため、炉壁(ダイバータ)の境界条件を一般化しました。これによりプラズマ流速分布評価の高精度化に寄与しました。講演では今後の発展の計画についても述べます。流体力学、数学の観点からの議論を期待いたします。

 

実施方法と参加対象者

会場での講演をzoomで同時配信するハイブリッド方式で行います。参加費用は無料です。原則として、どなたでも参加できます。ただし、参加人数の上限を超えた場合には、参加をお断りする場合があります。

 

セミナー会場

総合研究棟B棟 110室(ハイブリッド配信あり)

 

お申し込み方法と締め切り

・数理物質系および関連センターの構成員(教員と学生など)

直接 (Garoon掲示板、TWINS、メール等で)案内とzoom リンクを通知しますので,登録なしで自由に参加することができます。

・系外および学外の参加希望者

Googleフォームで事前にお申し込み下さい。参加申し込みの締め切りは7月16日(火)です。お申し込みされた方には、7月17日(水)までに、登録メールアドレスにzoomの接続情報をお送りします。

 

Zoom参加の際の注意点

・名前表示を「所属 氏名」で設定してください

・セミナー開始10分前を目安に、参加用URLに接続してください

・基本的に参加者は、ビデオ=オフ、マイク=ミュートとしてください

 

お申し込み先

https://forms.gle/VgCrWKnFCtv3piid9

 

お問合せ先(Zoomアクセスの際の不具合時など)

数理物質エリア支援室総務担当(担当:佐藤)

E-mail: suurisoumu(at)un.tsukuba.ac.jp

※ (at) は @ に置き換えて下さい

Tel:029-853-5621