2024年度 数理物質系学際セミナー(臨時)のご案内

2024.10.31

イベント

数理物質系学際セミナーの概要

数理物質系では、2022年10月より、数理物質系学際セミナーを新たに始めました。本セミナーは、主に数理物質系における研究内容を系内で共有することにより、学際融合・領域融合した新しい研究分野の創出を目指すことを目的としています。

 

 

2024年度 数理物質系学際セミナー(臨時)のご案内

 

開催日時

2024年11月13日(水) 15:30開始(60分間)

 

プログラム

 

講演者:近藤 剛弘 教授(物質工学域)

司会:山本 洋平 教授(物質工学域)

タイトル:ホウ化水素ナノシートの特性と応用展開

概要:室温大気圧下で二ホウ化マグネシウムのマグネシウムイオンをプロトンとイオン交換すると、ホウ素と水素が1:1の比で構成されるホウ化水素ナノシートが生成します。ホウ化水素はホウ素が負に、水素が正に帯電しているため我々はこの物質を水素化ホウ素(BH)ではなくホウ化水素(HB)と命名しました。種々の構造解析結果より、HBナノシートはホウ素の六員環構造を骨格として、水素が3中心2電子結合や2中心2電子結合で結合した物質であることが示されました。その後、HBナノシートは特異な還元剤機能、紫外線照射で水素放出する機能、微弱電位印加で水素放出する機能、高感度センサーの性質、優れた固体酸触媒機能、水に安定なこと、水素が少し抜けた状態で二酸化炭素を吸着させC-Cカップリング反応を150℃程度の低温で実現すること、色素で修飾することで可視光照射で水素放出するようになること、半金属であることなどが、我々と共同研究グループとの実験による解析を中心とした結果から明らかとなっています。最近、ホウ化水素ナノシートを用いるとハイエントロピー合金ナノクラスターと呼ばれる優れたクラスターを簡便に形成できることや、商用白金触媒を凌駕する優れた酸素還元反応活性(燃料電池で重要な電極反応に対する性能)と耐久性を示す触媒合成材料として有効であることや、水電解で重要な酸素生成反応に対する優れた触媒合成材料として有効であることが、我々とは異なる中国の複数の実験グループから報告されています。理論計算ではNaやLiやKイオン電池の優れたアノード極材料となること、Liデコレートで高性能の水素貯蔵材料となること、優れた電流リミッターとなること、アミノ酸識別ができる高性能センサーとなることなどが予想されています。さらに、5-7員環ホウ素ネットワークの水素化でトポロジカルノーダルライン物質が形成できるという理論予測やその実験的実証、大面積シート作成、新しいボトムアップホウ化水素合成経路の理論的提案もなされています。講演では、今後様々な用途での利用が期待されるホウ化水素シートについて紹介します。

 

実施方法と参加対象者

会場での講演をzoomで同時配信するハイブリッド方式で行います。参加費用は無料です。原則として、どなたでも参加できます。ただし、参加人数の上限を超えた場合には、参加をお断りする場合があります。

 

セミナー会場

総合研究棟B棟 112室(ハイブリッド配信あり)

 

お申し込み方法と締め切り

・数理物質系および関連センターの構成員(教員と学生など)

直接 (Garoon掲示板、TWINS、メール等で)案内とzoom リンクを通知しますので,登録なしで自由に参加することができます。

・系外および学外の参加希望者

Googleフォームで事前にお申し込み下さい。参加申し込みの締め切りは11月11日(月)です。お申し込みされた方には、11月12日(火)までに、登録メールアドレスにzoomの接続情報をお送りします。

Zoom参加の際の注意点

・名前表示を「所属 氏名」で設定してください

・セミナー開始10分前を目安に、参加用URLに接続してください

・基本的に参加者は、ビデオ=オフ、マイク=ミュートとしてください

 

お申し込み先

https://forms.gle/yjGZcL1M9BBTGdMf6

 

お問合せ先(Zoomアクセスの際の不具合時など)

数理物質エリア支援室総務担当(担当:佐藤)

E-mail: suurisoumu(at)un.tsukuba.ac.jp

※ (at) は @ に置き換えて下さい

Tel:029-853-5621

関連資料

2024年度臨時数理物質系学際セミナー ポスター