2024年度第6回「数理物質系学際セミナー」のご案内

2024.11.28

イベント

数理物質系学際セミナーの概要

数理物質系では、2022年10月より、数理物質系学際セミナーを新たに始めました。本セミナーは、主に数理物質系における研究内容を系内で共有することにより、学際融合・領域融合した新しい研究分野の創出を目指すことを目的としています。

 

 

2024年度第6回数理物質系学際セミナーのご案内

 

開催日時

2024年12月20日(金) 15:15開始(75分間)

 

プログラム

 

第一席

講演者:飯田 崇史 助教(物理学域)

司会:山﨑 剛 准教授(物理学域)

タイトル:無機結晶シンチレータを用いた素粒子物理実験

Particle physics experiments using inorganic crystal scintillators

素粒子とは物質の素となる最小単位の粒子のことです。素粒子を理解することは、我々の宇宙の成り立ちを理解することにつながります。私の所属する素粒子実験研究室では、大型の加速器を使った実験や、人工衛星を用いた実験など、様々な方法で素粒子を研究しています。本講演では素粒子物理学の概観を簡単に紹介するとともに、私が進めているCe:Gd3Ga3Al2O12(GAGG)と呼ばれる無機結晶シンチレータを用いて、岐阜県神岡の地下1000メートルにある実験室で二重ベータ崩壊という現象を探索する実験をご紹介したいと思います。この現象を研究することはニュートリノのマヨラナ性と呼ばれる特殊な性質を理解するのに重要です。ニュートリノは、素粒子標準理論を構成する物質粒子(フェルミオン)の一種であり、未だに測定不能な極めて小さい質量を持ち、一風変わった粒子です。ニュートリノを理解することで、近い将来、この宇宙に反物質がほとんどなく物質のみが存在している謎を解明することが出来るかもしれません。

 

第二席

講演者:伊藤 良一 准教授(物理工学域)

司会:関場 大一郎 講師(物理工学域)

タイトル:立体的な多孔質構造を持つグラフェンによる新たなグラフェン応用研究の開拓

Creations of New Graphene Applications Using 3D Porous Graphene

概要: グラフェンは夢の材料と謳われる理想的な炭素材料と言われていますが、多様化する社会のニーズに応えるため、時代に適合したグラフェンの応用研究を拡大させる必要があります。本研究は、2次元グラフェンに立体的な多孔質構造を持たせた多孔質グラフェンの基礎物性を明らかにし、その物性を活用した2次元グラフェンでは成しえない特異なデバイス機能研究を先駆的に行ってきました。一方で、グラフェンは高い化学的安定性を持つが故に物理用途のデバイスに長けており、一般的に化学用途のデバイスに向いていないことが明らかとなっています。そこで、立体構造やエッジ構造を形成するために生じた幾何学的欠陥に着目しました。これらの欠陥はグラフェン格子に幾何学的歪みを与え、それを緩和させるために格子が化学元素を取り込むことで、化学活性を付与したグラフェンの作製が可能と着想し、化学用途のデバイスにも活用できるように研究を同時に進めました。本数理物質系学際セミナーでは、第20回日本学術振興会賞の受賞対象となった立体的な多孔質構造と化学活性を同時に持ったグラフェンの基礎物性の解明および2次元グラフェンでは実現できなかった物理的・化学的応用研究の開拓を行った研究について紹介します。

 

実施方法と参加対象者

会場での講演をzoomで同時配信するハイブリッド方式で行います。参加費用は無料です。原則として、どなたでも参加できます。ただし、参加人数の上限を超えた場合には、参加をお断りする場合があります。

 

セミナー会場

総合研究棟B棟 110室(ハイブリッド配信あり)

 

お申し込み方法と締め切り

・数理物質系および関連センターの構成員(教員と学生など)

直接 (Garoon掲示板、TWINS、メール等で)案内とzoom リンクを通知しますので,登録なしで自由に参加することができます。

・系外および学外の参加希望者

Googleフォームで事前にお申し込み下さい。参加申し込みの締め切りは12月17日(火)です。お申し込みされた方には、12月18日(水)までに、登録メールアドレスにzoomの接続情報をお送りします。

 

Zoom参加の際の注意点

・名前表示を「所属 氏名」で設定してください

・セミナー開始10分前を目安に、参加用URLに接続してください

・基本的に参加者は、ビデオ=オフ、マイク=ミュートとしてください

 

お申し込み先

https://forms.gle/kLxiice8DU94BKNb9

 

お問合せ先(Zoomアクセスの際の不具合時など)

数理物質エリア支援室総務担当(担当:佐藤)

E-mail: suurisoumu(at)un.tsukuba.ac.jp

※ (at) は @ に置き換えて下さい

Tel:029-853-5621

関連資料

第6回学際セミナーポスター20241127