2024年度第4回「数理物質系学際セミナー」のご案内
2024.09.27
数理物質系学際セミナーの概要
数理物質系では、2022年10月より、数理物質系学際セミナーを新たに始めました。本セミナーは、主に数理物質系における研究内容を系内で共有することにより、学際融合・領域融合した新しい研究分野の創出を目指すことを目的としています。
2024年度第4回数理物質系学際セミナーのご案内
開催日時 2024年10月18日(金) 15:15開始(75分間)
プログラム
第一席 講演者:山本 光 准教授(数学域) 司会:カーナハン スコット ファイレイ 准教授(数学域) タイトル:多様体上の反応拡散方程式
概要:私は主に多様体という曲がった図形の上で「何か」が時間と共に動いていくような状況をよく研究しています.例えば化学物質などは濃度が高いと(基本的には)薄まろうとするので「拡散」します.しかし,その化学物質どうしが「反応」して濃度が高いところはより濃度が高くなる可能性もあります.このような現象を記述するのが反応拡散方程式という偏微分方程式です.私は純粋数学の立場からこのような反応拡散方程式の挙動を研究しています.ですので具体的な化学物質に関して何か研究しているわけではありません.むしろ研究しているのは,リッチフローや山辺フロー,平均曲率流や調和写像熱流などの「幾何学的フロー」と呼ばれる幾何学の文脈の中で意味があるものです.この講演では,多様体や反応拡散方程式に馴染みの無い方でも話の概要が分かるように配慮し,研究の手法や,困難さや,結果のみをざっくりとお伝えできればと思っています.
第二席 講演者:山口 尚秀 准教授(物理工学域) 司会:寺田 康彦(物理工学域) タイトル:水素終端ダイヤモンドを使った高移動度トランジスタ High-mobility transistor based on hydrogen-terminated diamond
概要: ダイヤモンドは次世代のワイドバンドギャップ半導体として注目されています。高絶縁破壊電界、高移動度、高熱伝導率などの特性によって、低損失な電力変換や高速大容量通信への応用が期待されています。なかでも水素終端ダイヤモンド(最表面の炭素の余った結合の手に水素が結合しているダイヤモンド)を使った電界効果トランジスタ(FET)についての研究が精力的に行われ、高温、高耐圧、高周波動作などが報告されています。しかし、電流を担う正孔の移動度(チャネル移動度)がダイヤモンドで本来期待される値に比べて低いなどの課題も残っています。私たちは、グラフェンやMoS2などの二次元物質の研究で使われる転写の手法によって、通常使われるアモルファスの酸化物絶縁体の代わりに単結晶の六方晶窒化ホウ素(h-BN)をゲート絶縁体とした水素終端ダイヤモンドFETを作製し、移動度の向上に取り組んでいます。本講演では、水素終端ダイヤモンドで見られる特異なp型表面伝導とダイヤモンドFETの性能向上に関する取り組みについて紹介します。
実施方法と参加対象者 会場での講演をzoomで同時配信するハイブリッド方式で行います。参加費用は無料です。原則として、どなたでも参加できます。ただし、参加人数の上限を超えた場合には、参加をお断りする場合があります。
セミナー会場 総合研究棟B棟 110室(ハイブリッド配信あり)
お申し込み方法と締め切り ・数理物質系および関連センターの構成員(教員と学生など) 直接 (Garoon掲示板、TWINS、メール等で)案内とzoom リンクを通知しますので,登録なしで自由に参加することができます。 ・系外および学外の参加希望者 Googleフォームで事前にお申し込み下さい。参加申し込みの締め切りは10月15日(火)です。お申し込みされた方には、10月16日(水)までに、登録メールアドレスにzoomの接続情報をお送りします。
Zoom参加の際の注意点 ・名前表示を「所属 氏名」で設定してください ・セミナー開始10分前を目安に、参加用URLに接続してください ・基本的に参加者は、ビデオ=オフ、マイク=ミュートとしてください
お申し込み先 https://forms.gle/2PVgaypFU6ovHQJd8
お問合せ先(Zoomアクセスの際の不具合時など) 数理物質エリア支援室総務担当(担当:佐藤) E-mail: suurisoumu(at)un.tsukuba.ac.jp ※ (at) は @ に置き換えて下さい Tel:029-853-5621 関連資料 |