2024年度第1回「数理物質系学際セミナー」のご案内
2024.05.27
数理物質系学際セミナーの概要
数理物質系では、2022年10月より、数理物質系学際セミナーを新たに始めました。本セミナーは、主に数理物質系における研究内容を系内で共有することにより、学際融合・領域融合した新しい研究分野の創出を目指すことを目的としています。
2024年度第1回数理物質系学際セミナーのご案内
開催日時 2024年6月21日(金) 15:15開始(75分間)
プログラム
第一席 講演者:永野 幸一 准教授(数学域) 司会:カーナハン スコット ファイレイ 准教授(数学域) タイトル:曲率が上に有界な距離空間の幾何学的トポロジー 概要:曲率の概念は,Gaussの曲面の研究以来,現代幾何学において魅力ある話題を絶え間なく提供しています.曲率が大域的にk以下の距離空間であるCAT(k)空間は, Gromovによって1980年代に定式化され,同時期にGromovが創始した幾何学的群論の発展において基本的な役割を果たしています.最近,Lytchak氏(カールスルーエ工科大学)とStadler氏(マックス・プランク数学研究所)と共同で,CAT(0)空間が4次元位相多様体であれば4次元Euclid空間と同相であることを示しました.この研究成果は,長年未解決であったCAT(0)位相多様体に関するGromovの問題に解答を与えます.本講演では,CAT(0)位相多様体に関するGromovの問題に焦点を当てて,今回の解決のアイデアの一端について非専門家向けに紹介します.
第二席 講演者:藤岡 淳 准教授(物質工学域) 司会:山岸 洋 助教(物質工学域) タイトル:強相関電子系の物性物理:非自明なスピンテクスチャが生み出す電子輸送現象 Physics of strongly correlated electron systems: Charge transport phenomena induced by nontrivial spin-texture 概要:私たちの研究室では、強相関電子系と呼ばれるカテゴリに属する磁性体や金属の物質開発と量子物性についての研究を行っています。強相関電子系の特徴の一つは、物質中の電子間に働くクーロン相互作用によって多様な電子の自己組織化やダイナミクスが見られる点です。例えば磁性体では電子の持つスピンが生み出す非自明な空間的な構造(スピンテクスチャ)や励起状態と結びついた磁気特性、電子輸送特性、光学応答が見られます。強相関電子系の研究は1980年代の高温超伝導の発見をひとつのきっかけとして金属・絶縁体転移、マルチフェロイクス、スピン液体など数多くの話題を提供しながら大きく発展してきています。特に最近ではトポロジカル物理学の視点が加わり、新たな展開が進んでいます。本発表では強相関磁性体で見られるトポロジカルな量子物性について紹介したいと思います。
実施方法と参加対象者 会場での講演をzoomで同時配信するハイブリッド方式で行います。参加費用は無料です。原則として、どなたでも参加できます。ただし、参加人数の上限を超えた場合には、参加をお断りする場合があります。
セミナー会場 1D 204室(大講義室2)(ハイブリッド配信あり)
お申し込み方法と締め切り ・数理物質系および関連センターの構成員(教員と学生など) 直接 (Garoon掲示板、TWINS、メール等で)案内とzoom リンクを通知しますので,登録なしで自由に参加することができます。 ・系外および学外の参加希望者 Googleフォームで事前にお申し込み下さい。参加申し込みの締め切りは6月18日(火)です。お申し込みされた方には、6月19日(水)までに、登録メールアドレスにzoomの接続情報をお送りします。
Zoom参加の際の注意点 ・名前表示を「所属 氏名」で設定してください ・セミナー開始10分前を目安に、参加用URLに接続してください ・基本的に参加者は、ビデオ=オフ、マイク=ミュートとしてください
お申し込み先 https://forms.gle/88VK39Sf94FQBKxZA
お問合せ先(Zoomアクセスの際の不具合時など) 数理物質エリア支援室総務担当(担当:佐藤) E-mail: suurisoumu(at)un.tsukuba.ac.jp ※ (at) は @ に置き換えて下さい Tel:029-853-5621 |