数理物質系学際セミナーの概要

数理物質系学際セミナーの概要
数理物質系では、2022年10月より、数理物質系学際セミナーを新たに始めました。本セミナーは、主に数理物質系における研究内容を系内で共有することにより、学際融合・領域融合した新しい研究分野の創出を目指すことを目的としています。

2023年度第３回数理物質系学際セミナーのご案内

開催日時
2023年9月15日（金） 16:45開始（75分間）

プログラム

第一席
講演者：小野　肇　教授（数学域）
司会：　カーナハン　スコット　准教授（数学域）
タイトル：標準リーマン計量と複素構造
Standard Riemannian metrics and complex structures

概要：アインシュタイン計量をはじめとする標準リーマン計量の存在問題は微分幾何学における重要なテーマの一つです。複素構造を持つ多様体においては、「複素構造と相性のいいリーマン計量（主にケーラー計量）の中に標準計量が存在するか？」という問題は、複素多様体の代数幾何的な条件と深く関係していると予想されています。本講演では、予想の根拠となる藤木－ドナルドソン描像について、いくつかの標準ケーラー計量の場合に紹介したいと思います。

第二席
講演者：辻村　清也　准教授（物質工学域）
司会：山岸　洋　助教（物質工学域）
タイトル：電気化学バイオデバイスの高機能化に向けた材料開発
Development of Materials for Advanced Electrochemical Biodevices

概要：酵素反応と電極反応を結びつけることにより，糖，アルコール，有機酸，アミンあるいは酸素といった生体関連物質の電気化学反応を非常に穏和な条件下で実現することができます．分離精製なしにバイオマーカーを電気化学的に検出するバイオセンサや，安全安心な発電デバイスであるバイオ燃料電池（BFC）の基本となります．デバイスの高性能化には，この酵素電極反応の理解と，酵素の性能を引き出す材料の開発が必要となります．
酵素を用いた電気化学的酸化反応においては，反応物が酵素によって酸化され，還元された酵素が電極で再酸化されて，再び基質と反応することができます．酵素が直接電極で酸化される場合，直接電子移動 (direct electron transfer, DET)型酵素触媒電極反応といいます．しかし，酵素分子内の活性中心は絶縁性のタンパク質の殻や糖鎖に覆われていて，電子移動速度は電子移動距離に対して指数関数的に減少するために，電子移動を実現することは一般的には難しい．この場合，電極と酵素間の電子伝達を仲介する低分子酸化還元化合物をメディエータとして利用して，酵素反応系と電極系を共役させることができます．これをメディエータ(mediated electron transfer, MET)型反応と呼びます．一方，酵素を用いた電気化学還元反応においては，DET型もしくはMET型電子移動反応により酵素が電極から電子を受けとり，酸化剤（例えば，酸素）が還元されます．本講演ではこうした酵素電極反応の概要を説明し，デバイス性能を向上させた材料開発について紹介したいと思っています．

実施方法と参加対象者
会場での講演をzoomで同時配信するハイブリッド方式で行います。参加費用は無料です。原則として、どなたでも参加できます。ただし、参加人数の上限を超えた場合には、参加をお断りする場合があります。

セミナー会場
総合研究棟B棟0110室（ハイブリッド配信あり）

お申し込み方法と締め切り
・数理物質系および関連センターの構成員（教員と学生など）
直接 （Garoon掲示板、TWINS、メール等で）案内とzoom リンクを通知しますので，登録なしで自由に参加することができます。
・系外および学外の参加希望者
Googleフォームで事前にお申し込み下さい。参加申し込みの締め切りは9月12日（火）です。お申し込みされた方には、9月13日（水）までに、登録メールアドレスにzoomの接続情報をお送りします。

Zoom参加の際の注意点
・名前表示を「所属　氏名」で設定してください
・セミナー開始１０分前を目安に、参加用URLに接続してください
・基本的に参加者は、ビデオ=オフ、マイク＝ミュートとしてください

お申し込み先
https://forms.gle/5LFXcyMAGi3FwaUz9

お問合せ先（Zoomアクセスの際の不具合時など）
数理物質エリア支援室総務担当（担当：佐藤）
E-mail： suurisoumu(at)un.tsukuba.ac.jp
※ (at) は @ に置き換えて下さい
Tel:029-853-5621