系長メッセージ

 

 数理物質系は、数学、物理、化学と物理工学、物質工学という研究分野(域)の教員が理工融合の形で所属する教員組織です。筑波大学はいわゆる「教教分離」、教員組織と教育組織を分けていることが特徴で、数理物質系の教員は、数理物質系の構成員といういわば本籍のまま、多様な形で複数の教育組織に所属し柔軟に教育活動を行うことができます。

研究大学を標榜する本学において、教員の本務は研究であって、研究、すなわち学術的な新しい知見、知識を見いだすこと、新しい価値を創出することが我々の日々の活動の目標です。研究者の所属組織である数理物質系では、所属教員が研究しやすい環境をつくり、その研究力の強化を第一の目標とした運営を行います。数理物質系の教員が係わる分野は基礎的な理学分野から社会での応用を念頭とした工学分野まで広範囲にわたり、対象もその内的動機や目標も様々です。現代の科学技術を基盤として支えるものから最先端の技術開発までテーマも多彩です。更にその研究スタイルも個人研究から、大規模な組織での研究や、センターとしての活動など特定の目標を設定するものまで多様なものがあり、数理物質系としては、その多様な構成員が横断的に(ゆるやかに)相互作用することで正のフィードバックがかかることを期待しています。また、つくば市には、産業技術総合研究所、物質・材料研究機構、高エネルギー加速器研究機構等、数理物質系の教員と関連の深い研究機関があり、これらの研究機関との連携の下での研究も重視しています。

大学人にとって、人材育成のための教育活動は研究に劣らず重要で、最先端の研究者が行う教育の場を数理物質系として提供します。研究成果を将来に引き継ぐ次世代の研究者育成と社会での直接の実装に関わる高度人材の教育に積極的に携わります。そのために、本学が特徴とする「教教分離」のしくみを利用し、数理物質系として、学部教育から大学院教育、社会人教育まで多彩な教育活動の機会を広く提供し各構成員を支援します。

現代の科学研究において国際性はあえて述べるまでもなく前提となるものであって数理物質系の活動はすべて国際的な評価に耐えるものを目指します。また、数理物質系の構成員、係わる人々の多様性の確保には最大限に工夫し、努力します。

 

数理物質系長

初貝安弘